暖かい布団でゆっくり眠れました。朝食に降りると3人分の席が明るいサンルームに準備されていました。花いっぱいの庭とガラス屋根を通して明るい部屋に光が差し込んでいます。当然オーナー夫妻といっしょに食べると思っていましたが違うようです。初めて会ったデビットさん夫妻と食べることになりました。この方たちも別の部屋に宿泊されていたようです。コーヒーはガラスのサーバーにいっぱい、これがひとり分です。かりっとトーストされた食パンも出してもらいました。
さあ、テーブルで英会話の実践です。デビッドさんから たくさんたずねられました、今日はどこへ行くのと。コニストン湖はいいところだね。ブラックセールYHには行くの?と。
それほど食欲がなかったのです。でも、がんばって食べておかなければいけません。まともな食事はきょうもこれだけかもしれません。
朝食の後はバスに乗ってロクサムへ行きました。電動ボートを借りるために列に並んだのです。でも2時まで空きがないそうです。しかたなく自転車を借りに行くことにしました。ここも店は閉まっていて電話せよと看板に書いてあるだけです。
どうしようかと、ロイLoysのスーパーマーケットにある垣根のレンガの上で横になりました。見上げる青空に雲とイワツバメが高いところに見えます。少し楽になってきたかな、やはり昨日の野宿でかぜをひいていたようです。
ここはどうしてもボートを貸してもらわなくてはなりません。またバスに乗って、ボートの借りられるかもしれない下流へ行くことにしました。少ししてバスがやってきました。乗るときにルーダムブリッジまでお願いしますと女性運転士に申し出て料金を払いました。ルーダム橋には停留所の表示はなかったようですが、訳のよくわかっていない私のために停車してもらったようでした。ルーダム橋を渡ったところでバスを降ろしていただきました。ほんとにありがとう。
このあたりのビュア川にもアント川にもずっと橋がかかっていません。ロクサムにある橋のつぎはこのルーダム橋までありません。帆船の高いマストを通すためには橋はじゃまだったのでしょう。また、この土地のひとにとっては車よりも自家用の船が出かけるのが当たり前だったと思われます。ルーダム橋では帆船はマストを倒して通過していきます。川岸にはたくさんのボートが係留されていました。
橋のそばに中古艇の販売や修理をやっておられるルーダムブリッジサービスLudham Bridge Serviceという店がありました。ボートも借りられるようです。ここで尋ねると、いまは借りられるモーターランチがないが、3時になれば帰ってくるよと言われました。しばらく川沿いを歩いて停泊している船を見て歩きました。
15:10やがて一隻のモーターランチが帰ってきました。Can I hire this moterLanch? 係りの人に1時間10£で借ります。ランワース沼へ行きたいと話して、地図を出して行き方を教えてもらいました。それから、電動ボートの操作のやり方を教えて下さいとお願いしました。前進後退の操作方法と後部にある係留用のロープを外へ垂らさないこと、ヨットは間切るので前を横切らないことなどの注意を聞きました。
電動のボートは前進にするとゆっくり出航していきましたが、はじめは舵を切りすぎて操船が難しかったのです。少しすると舵のきき方がわかってきました。急に舵を切ってもじわっと遅れて効いてくるのです。アント川の川幅は狭いので前の船が止まってしまっても追い越せません、みんな並んで船の列が進むのを待ちます。ゆっくりノーフォークの休暇を楽しんでいるからです。
しばらく進むとアント川から少し広いビュア川へ入ります。ここにあった標識の ant川の表示はうれしいものです、本でよく出てきた川の名前です。ここはランサムの世界です。両岸はヨシ原が広がっていて道からやってきたのでは川に近づけないことがわかります。ビュア川は少し広くなってます。5mphの制限速度で、ゆっくりみんな追い抜かさないように一列で進んでいきます。30分進んでランワースの沼まで行けずにUターンすることになりました。帰りのドライブにはなれて少しスピードも出せるようになりました。すれ違うボートの人と手を振ったりしながら、余裕が少しでてきました。
モーターランチを返して、係留したそばにあったベンチに座り、あわててこの船のスケッチを始めました。でも、すぐに別のひとがこの船を借りられました。行ってしまうまえに Dawn号を描き終えられるでしょうか。おおいそぎでスケッチです。描いていると、係りの若い人が見に来られて仲良くなりました。日本からわざわざ来たの?と。
向かい側に軽油を入れてもらうために別のモーターランチがやってきました。このルーダムブリッジサービスで飼われている大きな白い犬が私のズボンのすそを嗅ぎになんども来ます。きっと家の柴犬マルさんのにおいが付いていたのでしょう。
ちょっと遠いのですが帰りは歩いていくことにします。さわやかな青空のもと、麦畑の間の道を抜け、だれもいない田舎道を歩いていきました。道に敷いてある砂利はよそから運んできたものですが、敷地の境界に置いてあるやや大きな石はちょっと見かけない石です。割れ目がガラスのようにえぐれています。これがこの地方を作っている岩石のようです。この石の小さなかけらを拾って持って帰りました、ガラス質の黒曜石のような石に思えます。